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妊娠中の麻疹について
妊婦さんが麻疹に罹患することは稀とされていましたが近年ワクチン接種率の低下などにより, 成人麻疹が増加傾向にあり,妊娠中の発症報告も増えています。
できれば、妊娠前に予防接種をしておくことが望ましいでしょう。
罹患したことない妊婦さん、ワクチンを接種していない妊婦さんは、麻疹の流行期に人ごみに出かけるのは避けましょう。
できれば、パパにも予防接種を行ってもらっておくといいですね。
麻疹とは?
感染力が強く、飛沫感染でうつります。10-12日ほどの潜伏期のあと症状が出始めます。
最初は熱、・咳・鼻水・目やになど通常の風邪と同じ症状が出るため、最初から麻疹と診断されることは少ないでしょう。
・潜伏期(10〜12日)
・カタル期(最初の3〜4日)・・鼻水・咳・目やにがひどい、顔がぐしゃぐしゃになる感じ。38・5度以上の高熱がでます。
・発疹期(5〜8日)・・高熱は一度下がり半日ぐらいでまた高熱が出ます。 コブリック班ができる(奥歯の裏側に白いぽちぽちができる)→頭・顔→うで→体かん→足と全身にひろがる。 ここで初めて診断が付きます。
・回復期(9日〜)・・発疹は4日〜1週間で色あせます。茶色の色素沈着は残りますが、あとにのこることはありません。 合併症(肺炎、中耳炎、心筋炎、亜急性硬化性全脳炎)がなければ、熱はこの頃下がります。
罹った子の60%が2歳以下ですが、生後6ヶ月以内はママから受け継いだ免疫の影響でかかりにくいといわれます。
大人がかかると重症化しやすいと言われています。
かかった場合の特効薬がないので、早めに予防接種することが望ましいです。
参考に)麻疹(はしか)・風疹混合・・MRワクチンとは?
妊娠中に麻疹に罹患すると・・
妊娠中に麻疹に罹患することによって、胎児の先天異常の増加は否定されていますが、流早産、胎児死亡の増加が報告されています。
麻疹に対する治療は対症療法のみになります。ママは肺炎などの合併症にならないように、赤ちゃんは超音波やNSTで経過をしっかり確認していくことが必要となります。
ママが 分娩直前または分娩後に発症したときには,児が先天性麻疹になる可能性があります。.
先天性麻疹は発 疹出現後5日以内に発症することが多く,7日以降の分娩では発症しないとされているた め,可能であれば子宮収縮抑制剤で発疹出現後7日以降に分娩を延長させることもあります。
新生児の発症予防としてγグロブリンも使用されています。
妊娠中の予防接種について
このワクチンは生ワクチン(毒性を極力弱くして作ったワクチン)なので妊娠の予定があったり、妊娠してからでは接種できません。
接種後、通常では2〜3週間程度、長くても1か月以内には体内から麻疹ワクチン・ウイルスは消失します。その後の妊娠については問題なしとして良いかもしれませんが、安全を見越して日本では「接種後2か月間」妊娠をしないように指導しています(アメリカなどでは3か月間)。
そのため、「接種前1か月+接種後2か月=合計接種前後3か月」の避妊が必要となります。
できれば、パパにも予防接種をしていただくといいと思います。
抗体があるかわからない場合、抗体検査をして陰性であれば予防接種ですが、
検査をせずに予防接種をしてもOKです。実は抗体があったとしても問題はありません。
みみりんは後者をおすすめしています。抗体があった場合はいいですがない場合は2回受診が必要ですしその分の費用や、それ以上に予防接種するまでに時間を費やしていしまいます。